ワンちゃん豆知識

ワンちゃんの適正体重~1日に必要なカロリーや食事量とは?

愛犬の適正体重をご存じでしょうか?

「うちの子が太っているとは思わなかった!」「この子は痩せているのかな…?」ということはしばしばあり、愛犬の適正体重や理想体重を知っておくことは重要です。

この記事では、ワンちゃんの適正体重についてと、1日に必要な食事のカロリー計算方法・食事量についてお伝えしています。

「愛犬の体重をしっかり管理してあげたいな!」という方は、ぜひご参考になさってください。

ワンちゃんの適正体重とは?

「うちの子は○○kgなのですが、太っていますか?やせていますか?」というご相談がありますが、実際のところ、「分からない」ということが回答となります。

というのも、ワンちゃんの適正体重は、犬種や年齢だけでなく、体格にも影響するため、実際に見て・触ってみないと分からないからです。

ワンちゃんの適正体重を知るためには、BCS(Body Condition Score:ボディコンディションスコア)という指標を用いることがあります。

BCSとは、肋骨部分の脂肪のつき具合と腰のくびれ具合で体型を5つに分け、肥満の程度や痩せ具合を知る客観的な指標です。

肋骨が触れ、上から見て腰のくびれが確認され、横から見ると腹部の吊り上りが認められるBCS3が理想の状態(理想の体重)とされています。

BCS1は極度に痩せており、BCS2は痩せ気味、BCS4は太り気味で、BCS5は太りすぎとなり、適切な体重コントロールが必要となります。

少し太っていると判断された場合には、

・低脂肪、低カロリーのドッグフード(療法食)に変更する
・適切な量を与える(ドライフードであれば量を60~70%程度に減らす)
・適度に運動する

ことによって適正体重を保つようにしましょう。

なお、ダイエットは急激に行うことは望ましくないため、1週間に体重の約2%の減量にとどめるようにしましょう。

愛犬のBCSを判断することは難しいことが多いため、まずは獣医師に確認してもらうと安心ですね。

ワンちゃんが1日に必要なカロリー量とは?

ワンちゃんが1日に必要なカロリー量とは?

愛犬の理想体重が分かったところで、次に、『1日当たりどのくらいのカロリー・食事量が必要なのか?』を計算をしてみましょう。

ワンちゃんが1日に必要なカロリー(1日あたりのエネルギー要求量;DER 単位kcal)については以下のような計算式があります。

DER=安静時のエネルギー要求量(RER 単位kcal)×活動係数

RERとは、ワンちゃんが何もせずにじっとしているだけで消費するエネルギー量のことであり、

RER=体重(kg)⁰.⁷⁵×70
簡易式として、RER=体重(kg)×30+70

として計算されます。

これに活動係数といって、年齢や運動量、避妊や去勢の有無などを考慮する係数をかけることで、1日あたりのエネルギー要求量(DER)を計算することができます。

ワンちゃんの活動係数は以下の通りです(資料により多少の違いがあります)。

活動係数
生後4か月未満4.0
生後4~成犬2.0
成犬期 去勢・避妊済み1.6
成犬期 未去勢・未避妊1.8
シニア犬期(7歳~)去勢・避妊済み1.4
シニア犬期(7歳~)未去勢・未避妊1.4
肥満傾向1.4
減量中1.0
体重増加(理想体重のRER×)1.2~1.4
妊娠中(1~4週目まで)2.0
妊娠中(5~6週目まで)2.5
妊娠中(7~8週目まで)3.0
授乳中4.0~8.0(または自由に食べさせる)

例として、体重5kgの避妊手術を受けている女の子であれば、

RER(簡易式を用いた場合)=5×30+70=220(kcal)となります。

活動係数は、『成犬期 去勢・避妊済み』を見ればよいので、1.6となります。

そのため、DER=220×1.6=352(kcal)

と算出されます。

1日に352kcal摂取するとよいとなりますので、これを1日2,3回に分けて与えるようになります。

1日に必要なドッグフード量とは?

1日に必要なドッグフード量とは?

次に、1日に必要なドッグフードの量ですが、こちらは与えている食事の100gあたりのカロリー量が関係してきます。

以下では、体重5kgの避妊済みのワンちゃんが、例として100gあたり330kcalのドッグフードを、1日どれくらい食べるべきか?を計算していきます。

ただ、このワンちゃんの理想体重が4kgである場合には、体重は4kgとして計算するようになるため、注意をしましょう。

なるべき理想の体重は、獣医師に診てもらって判断するといいですね。

上記で計算した通り、5kgの避妊しているワンちゃんにおいて、1日当たりの必要カロリーは352kcalとなります。

100gが330kcalの食事ですので、352kcalを摂取するためには、

100×352÷330=106(g)

が、1日当たりに食べるべきドッグフード量という計算になります。

また、ドッグフードのパッケージ側面には、この食事を用いる場合には、「○○か月なら○○g(○○カップ)をあげてください」や、「○○kgなら○○g(○○カップ)をあげてください」といった月齢別・体重別の表記がありますので、それ通りにあげることも方法の一つとなります。

月齢・体重別にあげることで、かんたんに健康維持が可能となりますね。

いずれにしても、ドッグフードの量に関しては、消化能力や運動量、被毛の量や性別、季節による変動(飼育温度の変化)などにより異なります。

算出されたドッグフード量は、あくまでも一つの目安として考え、食いつきや体重などを見ながら、量の調整を行うようにしましょう。

【まとめ】ワンちゃんの適正体重~1日に必要なカロリーや食事量とは?

ワンちゃんの適正体重は、BCSという肋骨の触り心地や腰のくびれ具合で判断します。

1日当たりに食べるべき食事量は、フードのパッケージに記載の通りでもよいですが、計算式を用いることで、より愛犬に合った量が分かります。

もちろん、運動の有無や睡眠時間などといった過ごし方により、消費するカロリーも異なりますので、体重や触り心地、食いつきなどを合わせて、判断してみましょう!

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