ワンちゃん豆知識
犬種別かサイズ別の かかりやすい病気&予防の提案
ワンちゃんの種類によって、大きさや性格が変わるだけでなく、かかりやすい病気にも違いがあります。
なりやすい病気を知っておくことで、前もっての対応が可能となる場合もあります。
この記事では、犬種別のかかりやすい病気とその予防や対策についてお伝えしています。
「どういった病気に気をつけるといいのか?」ご興味のある飼い主さんは、ぜひ読んでみてくださいね。
犬種別のかかりやすい病気とその予防・対策
以下では、飼育されている頭数が多い犬種を中心に、かかりやすい病気とその予防・対策について解説しています。
お伝えした病気以外にもかかる病気はありますので、日頃から「元気や食欲はあるか?」「いつもと違ったことはないか?」など、気をつけてみてあげてくださいね。
トイプードル
トイプードルは比較的、病気をしづらい犬種ですが、気をつけるべき疾患として、膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)と心臓病(主に僧帽弁閉鎖不全症;そうぼうべんへいさふぜんしょう)があります。
膝蓋骨脱臼は、膝のお皿が外れてしまう病気で、トイプードルに好発します。
外れていても特に症状のない子もいますし、痛みや違和感で足をあげる、キャンキャンと鳴く…といった場合もあります。
痛みの度合いにあわせて、鎮痛剤や消炎剤で様子を見ていきますが、症状が強い場合には、手術で膝蓋骨の動きを制御することもあります。
急旋回や滑ったときなどに発症することもあり、床を滑らないように対策することや段差をなくすことが、膝蓋骨脱臼の予防となります。
また、膝に負担がかかるため、太らせないことも大切ですね。
僧帽弁閉鎖不全症は、心臓内にある血液の逆流を防止する弁がうまく閉じなくなる病気です。
血液の流れがとどこおり、全身への血液供給がうまくいかないため、疲れやすくなる、散歩に行きたがらないといった症状で発見されることもあります。
通常、心臓の負荷を抑える薬にて経過を見ていきますが、最近では外科手術を行い、逆流をなくすこともあります。
予防することは難しい病気ですが、早期発見できるよう、定期的に健康診断を受けるようにしましょう。
チワワ
チワワもトイプードルと同様、膝蓋骨脱臼と僧帽弁閉鎖不全症になりやすい犬種です。
お伝えしたポイントをもとに気をつけて見てあげてください。
また、チワワは気管虚脱という、気管がつぶれてしまう病気にかかりやすいです。
「ガアガア」という音の咳で気がつかれることが多く、呼吸がうまくできないことや高体温になってしまうこともあります。
のどに負担がかからないよう、過度に吠えさせない・興奮させないことが大切です。
また、夏場に悪くなることが多いため、温度や湿度を調整してあげることも重要ですね。
ミニチュアダックスフンド
ミニチュアダックスフンドは胴長で短足な犬種であるため、足や腰に負担がかかりやすい特徴があります。
そのため、椎間板ヘルニアや関節炎にかかりやすい犬種となっています。
椎間板ヘルニアは、背骨の骨と骨の間にあるクッションの役割をする軟骨(椎間板)が変性(性質が変化すること)し、その上を走る神経を圧迫してしまう病気です。
急に後ろ足を引きずる、歩き方が変といった症状で発見されることが多いですが、前足の麻痺や呼吸困難で救急来院されることもあります。
安静や鎮痛剤・消炎剤の投与にて改善がない場合には、画像検査をしたのち、椎間板を除去する手術を行います。
肥満は背骨や関節に大いに影響しますので、太らせないようにすることが予防となります。
また、ミニチュアダックスフンドはマズル(口吻)が長く、歯が大きいことから、歯石が付きやすく、歯周病や歯肉炎など口の中の病気になることも多いです。
そのため、日頃からの歯みがきでのケアがとても大切です。
柴犬
柴犬は、皮膚トラブルを生じやすい犬種です。
かゆみや赤み、脱毛がみられることが多く、アレルギー性皮膚炎やアトピー性皮膚炎の好発品種です。
飲み薬やシャンプー療法で対応することが多いですが、食事の変更(アレルギー対応のドッグフード)や環境改善(部屋のこまめな掃除・換気など)が必要になることもあります。
犬種や体質によるところもあるため、予防することは難しいですが、日頃からのブラッシングや適切なシャンプーは必須となります。
また、柴犬は、高齢になったときに、認知症(認知機能不全症候群)を発症することも多い犬種です。
徘徊(はいかい)や夜鳴きが見られることが多く、飼い主さんを悩ませてしまうこともしばしばあります。
通常は、薬にて対応しますが、転ばないような環境づくりや食事・排せつの補助なども必要となります。
レトリバー(ゴールデンレトリバーやラブラドールレトリバーなど)
レトリバー系の犬種は、股関節形成不全(こかんせつけいせいふぜん)という、股関節の成長に異常が見られる病気にかかりやすいです。
関節が不安定のため関節炎を生じ、痛みや違和感があるため、
・跛行(足を引きずって歩く)
・腰を左右に振って歩く
・階段やジャンプを嫌がる
…といった症状が見られます。
状態にあわせて、鎮痛剤や消炎剤にて治療しますが、重度の場合には、手術で対応することもあります。
股関節に負荷がかからないよう、体重管理をすることも大切です。
また、高齢で悪性腫瘍(がん)を罹患する子も多くいます。
特に、血管肉腫(主に脾臓)という病気になることが多く、発見が遅れることで腫瘍が破裂し、突然死を引き起こすこともあります。
超音波検査やレントゲン検査などの画像検査で診断がつくため、定期的なチェックが必要です。
病気は早期発見と早期治療が大切!動物病院へ行こう!
どんな病気であったとしても、早期発見と早期治療で、寿命を長くしてあげられる可能性があります。
そのためにも、定期的な健康診断の受診がおすすめされます。
年齢や症状によって検査すべき項目は変わります。
若いうちは触診や血液検査など簡易的な検査を行うことが多いですが、中高齢(5,6歳~)では、画像検査(レントゲン線検査や胸部・腹部超音波検査)やホルモン検査、血圧測定などもしておいた方がいいでしょう。
「どういった検査内容がいいか?」
詳しくは、主治医の先生とご相談くださいませ。
【まとめ】犬種別のかかりやすい病気とその予防・対策
犬種別のかかりやすい病気とその予防・対策をお伝えしました。
犬種によってかかりやすい病気を知っておくことで、日頃からどういった点に着目して愛犬と付き合うべきか?が分かると思います。
今一度、しっかりチェックしておきましょう!