ペット防災のため、今日からできること~しつけと予防編
災害時への備えとして、ワンちゃん用の防災バッグ作りは大切ですが、あわせて普段からしつけや予防をすることもとても重要です。
特に、避難所での生活となった際には、周りの方への迷惑とならないよう、無駄吠えや噛み癖などはしっかり直しておく必要があります。
また、ワンちゃん同士が同じ空間で過ごすことも想定されるため、各種予防をしておくようにもしましょう。
この記事では、地震や台風といった災害に対して、今日からできるワンちゃんのしつけや予防・心得についてお伝えしています。
万が一に備えたいな!という飼い主さんは、ぜひご参考になさってください。
ペット防災のため、今日からできること~しつけ編
愛犬と問題なく避難所生活ができるようにするためには、日頃からのしつけが重要です。
しつけは子犬のときから行うことで、スムーズに習得できることが多いです。
そのため、『お手」や『待て』のほかにも、以下でお伝えするしつけはしっかりすることがおすすめです。
もちろん、成犬になってからのしつけも可能ですが、時間がかかることやなかなか覚えてくれないこともしばしばあります。
難しい場合には、ドッグトレーナーや獣医師の手を借りるようにしましょう。
ケージに慣れること
避難所での生活は、ケージ内で過ごすことがほとんどだと思われます。
そのため、日頃から、ケージに慣れておく必要があります。
ケージは、頑丈で壊れないよう、大き目のハードタイプのものがおすすめです。
普段過ごす空間、例えばリビングなどに置き、そこで寝たり、食事やおやつを食べたり…『ケージは安心して過ごす場所』として覚えさせてください。
はじめは、ケージの上部やドアを外しておくことで、怖がらず入ってくれることが多いですよ。
噛まないようにすること
噛むことはワンちゃんの本能ですが、人と共同生活をする際には、トラブルを生じるため、噛まないようにしつけることが重要です。
ただ、子犬のときの甘噛みは、「かまって!」「遊ぼうよ!」というコミュニケーションとして行っています。
そのため、『噛む→怒る』というようなしつけはせず、噛む対象をおもちゃやタオルなど噛んでよいものに変更して遊んであげましょう。
ワンちゃんは恐怖や不快を感じたときに、噛むことが多いですが、噛む前には、鼻にしわを寄せたり、「ウー」とうなったり…
何かしらのサインを見せていることが多いです。
こういったサインが見られたら、気分を落ち着かせるよう、噛んでしまう状況を回避して対応しましょう。
噛まずに過ごせたら、十分にほめておやつをあげるようにするといいです。
嚙みたい欲求をおもちゃなどで引っ張りっこをして発散させてあげることもいいでしょう。
すぐには直りませんので、現時点で噛み癖がある子の場合には、口輪を用意しておくことも方法の一つとなります。
無駄吠えしないようにすること
吠えることもワンちゃんの本能ですので、やめさせることは難しいこともあります。
まずは、『なにを理由に吠えているのか?』を把握することが大切です。
「ごはんをほしい!」「おやつがほしい!」などと要求をして吠えている場合には、無視を徹底して対応しましょう。
興奮して吠えている場合には、無視をする、「おすわり」などのコマンドで声掛けをする(気を落ち着かせる)といいです。
また、吠える状況を避けることで対応することも方法の一つとなります。
窓から見える人に吠える場合には、カーテンやブラインドを下げて対応するなどです。
ただ、チャイムが鳴るなど、いつ吠える状況となるか分からない場合には、慣れされることで対応しましょう。
チャイムが鳴ったらケージに入れるクレートトレーニングが一般的ですが、『チャイムが鳴る=知っている人が来る(楽しいことがある!)』と覚えさせることもおすすめです。
ワンちゃんは『チャイムが鳴ると知らない人が来る』と思っており、恐怖や不安から吠えているケースが多くあります。
チャイムが鳴ることは楽しいことだと認識することで、無駄吠えが減少することもよくあります。
こちらも上手にできたら、ほめておやつをあげるようにしましょう。
人やほかのワンちゃんに慣れること
避難所生活は、多くの人や動物が同じ空間で過ごすようになります。
そのため、小さいときから、さまざまな人や動物を見る・触れ合う機会を持っておくことも大切です。
特に社会化期と言われる生後1~4か月齢程度のときは、積極的に公園やドッグカフェなどの外に出向き、いろいろな体験をさせてあげるようにしましょう。
ペット防災のため、今日からできること~心得・予防編
ペットの防災では、しつけとあわせて、前もって知っておくことや予防しておくことがあります。
ペット可の避難所を知っておくこと
避難所生活では、人が安全に過ごすことが第一とされ、ペットの受け入れをしていないところが多くあります。
そのため、ペットを飼育している場合には、ペット可の避難所をあらかじめ知っておく必要があります。
受け入れの頭数も、避難所によって異なるため、お住いの市町村のホームページなどで確認しておくようにしましょう。
ワクチン接種やノミ・マダニ予防をすること
避難所では、ワクチン接種がされている動物のみを受け入れることも多いです。
たくさんの動物が出入りするからこそ、病気が流行しては困ってしまうからです。
ワンちゃんにおいて必要な予防は、狂犬病予防接種と混合ワクチン接種があります。
前者は飼い主さんの義務であるワクチンで、後者は任意のワクチンとなります。
ただ、ワクチンアレルギーなどなにかしらのワクチン関連有害事象がない場合には、どちらも打っておいた方が安心です。
狂犬病予防ワクチンは1年に1回、混合ワクチンは1~3年に1回打つようになります。
接種頻度は主治医の先生にご相談下さい。
あわせて、ノミ・マダニ予防や避妊・去勢手術を受けておくことも大切です。
また、マイクロチップの装着もしておくようにしましょう。
現時点では、新しく購入したワンちゃんにおいて、マイクロチップ挿入は義務となっていますが、以前より飼っている子の装着は努力義務となっています。
(ペットショップやブリーダーなどにおいても令和4年5月以前より所有している犬においては、購入時に装着されていない場合もあります。)
マイクロチップは愛犬の個体情報を示すものです。
災害時には大いに役立ちますので、必ず装着するようにしましょう。
【まとめ】ペット防災のため、今日からできること~しつけと予防編
災害はいつ起こるかわかりません。
そのため、備えをしておく必要がありますが、「時間がない…」「面倒である…」といった理由から、後回しにしている方は多くいらっしゃいます。
『災害時に愛犬が安全に過ごせるかどうか?』は飼い主さんにかかっています。
まだ備えていない場合には、早速今日、準備をするようにしましょう!